プロ野球キャンプ、休日の考え方の違い

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コーチング

2月1日、今年もプロ野球12球団がそろってキャンプインしました。

今年はすべての球団が日本国内で行われます。宮崎県・沖縄本島・沖縄県離島のいずれかです。

私もかつて、近鉄バファローズ時代には、春は、第1次キャンプがサイパン。第二次キャンプが宮崎県日向市。2軍は宮崎県日向市。秋は、宮崎県日向市。2002年・2003年は、ファームチームを引き連れて、ロサンゼルス・ドジャースのキャンプ地、アメリカフロリダ州ベロビーチでのドジャースコーチ指導によるアメリカキャンプ。

オリックスバファローズ時代には、春は第1次キャンプが、沖縄県宮古島市、第2次キャンプが高知県高知市。秋は、高知県高知市。などいろいろなキャンプ地で練習を経験しました。

時代も変わり、滞在先の施設もどんどん良くなり、球場の施設もどんどん充実してきました。しかし、今も昔もあまり変わらないのが、キャンプ時の休日の設定です。

もちろん、その年のカレンダーや、監督の考え方によって少しづつ変化します。普通は、3謹1休、4謹1休と呼ばれる、3日練習して1日休み、4日練習して1日休みと言うのが一番多いのではないでしょうか。

この3謹と4謹は、たった1日の違いではありますが、選手にとっての心と体の疲労度は、かなりの差があります。3謹は、とても短く感じますし、4謹はとてつもなく長く感じられます。しかし、時には、球団側からの意向もあり、応援に来られるファンが多いため、土曜・日曜に休日が重ならないように配慮してくれと指示が出るときがありました。そんな時は5謹などが入ってくるときがあります。これは選手にとってかなりつらくなってくるのです。そんな時は、3日目を少し軽めのメニューで終了したりして調節していました。

そんな中、当時、中日ドラゴンズが落合監督の時には、シーズンが始まれば、ほとんどが月曜日が休みなのだから、キャンプもそれに合わせて月曜日に休むべきだとして、6謹1休のキャンプをしていましたね。選手達も最初慣れるまでは、大変だったのではないでしょうか。しかし、これはこれで、監督の考えであり、結果も出ていましたので、よかったのでしょう。

また、私がオリックス時代に、メジャーリーグで、監督として実績のあったコリンズ氏が監督になった時がありました。メジャーリーグのキャンプは、日本と違い休日はありません。しかし、アメリカと日本のキャンプの内容は、かなりの違いがあるため、コリンズ監督は、当初日本式の休日を採用しました。

あの年のキャンプはいろいろありましたね。

まず最初、練習時間が非常に短かったのです。全体での練習が終わり、その後少し個人の練習が行われたのですが、例年、特守や特打で体をいじめられてきた日本人選手にとっては少し物足りなかったのでしょうか。

休日に、個人的に車を出してもらって、午前中にに室内練習場で、マシン打撃をする選手が現れました。通常の日本のキャンプでは、3謹・4謹であっても、休日に個人的にマシンを打ちに行く選手はいましたし、バッティングコーチが、『若手には休日なんかいらない。』と、強制的に休日返上で、バッティングをさせていたのは日常茶飯事でした。また、マシン打撃はせずに、ウエイトトレーニングだけをしに行く選手も何人かいましたね。

しかし、休日返上で、バッティング練習に行っている選手がいることが、コリンズ監督の耳に入り、監督は激怒、

『俺たちは、メジャーリーグの時は、キャンプ中、休日なんか1日もない。しかし、日本のキャンプでは、アメリカと違い練習量が、半端なく多いため、休日を設けるべきだと言われたから、休みを取らせたのに、休日に練習に行くとは何事だ!そんなことなら、もう休みは無しにするぞ!』

と大激怒でした。

その話を聞いた選手は、自分が練習に行ったせいで、もし休日がなくなったら、他の人たちに迷惑がかかるからと、休日に練習に行くのを辞めました。

しかし、コリンズの面白いところは、彼の表現で言う『コンディショニング(ウエイトトレーニング)』なら、休みの日にしてもいいというのです。私は意味が分からなかったので、彼に尋ねると、『コンディショニングだからいいんだ。』と言う答えでした。私も理解したのかどうかわかりませんでしたが、選手の休日のトレーニングはしてもいいということだったので、ちょっとほっとしていました。

そして、その年のチームの決まりとしては、休日には、コンディショニング以外のすべての練習は禁止されました。素振り、キャッチボールもダメでした。選手も休日がなくなるのは嫌なので、仕方なく守っていましたね。

また、こんなこともありました。ある選手が、『もっと、打ちたいです。』と、ある新聞記者に話ししたことが、再び監督の耳に入り、またまた、監督がブチ切れました。

通常、野手の練習は、ローテーションと言われ、4人1組ぐらいで、ティーバッティング・フリーバッティング・走塁・バントなど、各セクションに分かれて、そこで15分から20分ぐらいで、回っていくのですが、ブチ切れた監督は、『お前たちは、練習が足りないんだろう、ならもっとやればいい!』と、ローテーションを続けて2回、まわしたのです。

そのことを言った選手は、『他の選手に申し訳ない。自分が、変な事を言ったばっかりに・・・。もう何も発言できないです・・・。』

しかし後で監督は選手達に『君たちは、長い時間練習することに慣れているのかもしれない。長い時間練習しないと、不安なのかもしれない。しかし、私には、その短い時間にも全力を出し切っているようには見えなかった。君たちは、長い時間すればいいと思っているかもしれないが、長い時間練習していることに満足し、全力を出すことを忘れてしまっている。』と言ったのでした。

これは選手にとっては衝撃だったと思います。物足りなさを感じてはいたが、実は、短い時間で、全力を出し切れていなかったのだと・・・。少なくとも、監督にはそう見えていたんだと・・・。

このあたりから、監督も日米の違いを感じていたのではないでしょうか。この小さなずれが、結局、最後の最後まで尾を引いた気がします。しかしながら、私にとっては、私の存在をとても大切にしてくれた監督でした。それまでは、トレーニングコーチや、コンディショニングコーチの存在は、コーチングスタッフの中でも、また球団の評価も扱いも低いものでした。

『君たちは技術コーチとは違う。』

しかしながら、コリンズ監督は、コーチのミーティングが終わっても、必ず私ともう一人のトレーニングコーチだけを残し、今の選手の状況、チームの状況を確認してくれるのでした。もちろん私たちの意見も、しっかりと聞いてくれました。私にとっては理想の監督像でした。

シーズンに入り、遠征に行くと、選手達のほとんどは、お昼前まで寝ています。しかし、私と監督は、必ずホテルの朝食のバイキングで顔を合わせました。私もレストランの朝食会場で、監督を見つけると、英語もしゃべれないのに、監督の前に座って、片言でコミュニケーションを取りに行っていました。どことなく監督もうれしそうだったので、私も必ず、監督のところに座るようにしていましたね。今思えば、大切な時間だったのかもしれません。いい思い出です。

そんな、いろいろな考え、思いがあって、今年もキャンプが行われています。

今年のシーズンはどういう展開になっていくのか楽しみですね。特に、オリンピック休暇が入るのが、1位のチームにとっては嫌な休暇になりそうですが・・・。

 

ここで1つ、現役を阪急ブレーブスでプレーをしていた、私と仲良しのコーチがよく言っていた話をします。

『昔、阪急がキャンプしてた時に、その年が雨が多くてな。その当時はろくな室内練習場もないから、練習がなかなか出来へんのや。でもな、そういう時に限って、練習楽やから、故障せいへんやろ。せやから、そんな年は、めっちゃ強いねん。絶対優勝してたわ。せやから、雨の多い年の方が実はええねんで。でもな、今は、室内ええの出来てるから、雨が降っても練習楽にならへんのや。今の選手は、逆に可哀想やわ。』と・・・。

良かれと思ってやっていることが実は・・・なのかもしれません。

明らかに、環境は良くなってきているのですが、実は・・・。

スポーツとは、本当に難しいものですね。特にプロの場合は、結果が全てですから・・・。

どんなやり方をやったとしても、どんなに非難されようと、『勝てば官軍』ですから。

今年もいろんなことを思いながら、プロ野球を注目していきたいと思います。

以上、プロ野球キャンプ、休日の考え方の違い。でした。

 

 

 

 

 

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