令和元年から続く令和2年の冬、今年は暖冬で、雪もほとんど降っていません。日中の気温も例年に比べれば高いのではないでしょうか。
しかし、いくら暖冬と言えども、気温はある程度低いものです。特に朝方や夕方には、場所によっては10度を切る時もあります。こんな冬の時期、野球界にとっては走りこみやトレーニングのようなメニューを多く取り入れるチームが多いのではないでしょうか。
その中でも、走り込みとして、長距離走やインターバル走など、長い距離を走る種目や、長い時間をかけて走る種目をすることも多いかと思います。
私の方にも、過去に指導したことのある中学生や高校生、大学生達がメールやラインなどで連絡を取ってきて、近況を報告してくれるのですが、とにかく下半身に痛みを訴える選手が多いのです。
『肉離れになりそうです。』
『肉離れしました。』
『股関節が痛いです。』
『シンスプリントになりました。』
『脚もげそうです。』
『脚ちぎれそうです。』
などなど、それはもう大変です。
実際に怪我をしてしまった選手も多く、また予備軍のような状態の選手も多いのです。
それぞれが、違う環境で、違う指導者の下、違うメニューなので、そのメニューが良いのか悪いのか一概には言えませんが、選手達の話を聞いていて、少し気になるのが、いつもとは違う路面で走っていることが多い事。明らかにウォーミングアップ不足でいきなり走らされていることです。
例えば、いつもとは違う路面で走ることについては、いつも学校や球場などの土の路面で練習しているにも関わらず、準備期間もなしに急にアスファルトの路面で長距離走をしていることがある事。
また、早朝や集合してウォーミングアップもそこそこにで、いきなり強度の高いランニングメニューをさせていることです。
やはり、日頃、土の上でしか走ったりしたことがない選手にとって、アスファルトの路面を走るのは脚にとっての負担が変わります。準備期間もなしに、いきなり10kmや15kmなどの長距離はストレスが大きすぎます。また初めから、タイムを設定し、そのタイムが切れなければ、切れるまで走らせるような指導は危険です。徐々に距離を増やしたり、最初はタイムを設定せずに行うことが必要です。
また、長距離走なので、肉離れなどの怪我もないだろうということで、ほとんどウォーミングアップもせずに、ハードなランニングメニューをしているチームもあります。
冬場は、外気温だけでなく、路面やグランドの表面温度もかなり低いのです。選手たちは、その表面温度の上に立っているために、シューズの中の、足や足趾の温度も下がっています。そこをウォーミングアップもほとんどなしで、いきなりハードなメニューをするのですから、下半身全体に与えるダメージは小さくはありません。
しっかりと、シューズの中の足趾を動かしたり、下半身全体を動かしたりして、筋温を上げておかなければなりません。
そのちょっとした心遣いが、故障を未然に防ぐのです。
走り込みが良い悪いではなく、それだけハードなことをやらせるのならば、指導者側もしっかりと計画を立てて準備し、また当日もしっかりと準備しなければなりません。
ハードなことをやったからと言って、怪我人ばかり出て、途中でメニューを変更せざる負えなくなったり、効果を感じることが出来なければやっている意味がありません。
いろんなことを想定して、しっかりと準備しましょう。させましょう。
以上、冷たい靴の中、冷たい路面、しっかりと温めてから走りましょう。でした。
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