今回の話は、ほんの一部の人達にしか当てはまらないことだと思います。
しかしながら、どうしても伝えておきたいことなので、話しておきます。
それは、現在中学三年生で、野球だけでなく、あらゆるスポーツの種目において、優秀な成績を収めたことにより、高校からスポーツによる推薦入学の話をいただいた子供たちに対してであります。
そんな中でも、特に、筆記試験の結果も免除され、面接や形だけの受験によって、高校に入学できる子供たちに対してです。
普通中学三年生の、この時期は、高校受験に向かって、日々勉強に頑張らないといけない時期です。特に、日頃クラブ活動で時間と体力を使っていた子供たちにとっては、大変な時期になります。
そんな中、受験勉強をすることなく、高校進学できるスポーツ推薦の子供たちは、少し心に余裕をもって過ごせる時期でもあります。
しかしながら、この子供たちは、高校にスポーツ推薦で入学するというまた違ったプレッシャーと戦っていかなければなりません。
そして、この子供たちは、高校入学の時に、その学校での練習やチームでの活躍のために今からの時間を使うことになります。
私の指導するところでも、この時期から、高校に向けてのトレーニングやコンディショニングに通ってくる子供たちが沢山います。
そこで、私は、本人と保護者の方に必ず伝えておくことがあります。
特に、親元を離れ、遠方の高校に進学し、寮や合宿所などに3年間入ることになる方に対してお伝えするのです。
それは、これからもちろん、高校入学に合わせて、身体の準備をしていくことは大切です。不安な個所や、故障がちな部分をコンディショニングし、また全体の体力や技術を高めておくことも必要です。
しかしながら、子供たちは、高校に入学すれば、3年の間、スポーツ漬けになり、家にもほとんど帰ってくることはないでしょう。ということは、子供たちにとっても、保護者の方たちにとっても、家族でゆっくり過ごせるのは、今しかないということです。
また、子供にとっては、入学までのこの時期は、プレーで結果を出すこともなく、また、受験勉強もほぼ必要ないので、心と体がゆっくりできる唯一の時間なのです。
高校に入学すれば、3年間は、もうそんな時間はありません。今しかないのです。
ですから、私は、「高校に入学するための準備はとても大切です。しかし、すべてをかけて、本格的に準備に入るのは、年が明けた1月からで、十分間に合います。もちろん、今からも準備はするけれども、それと並行して、心をゆっくと休めなさい。体は最低限度の事で大丈夫。それよりも、お父さんやお母さん、兄弟などの家族と、一緒に過ごす時間を沢山持ってください。一緒に楽しくご飯を食べたり、お出かけしたり、遊んだり、いっぱい話したり、旅行に出かけたり、いっぱいいっぱい家族と触れ合ってください。」と。
子供たちにとっても、家族とゆっくり過ごせることができるのも、あと数ヶ月です。
お父さん、お母さんにとっては、子供として接することができるのも数ヶ月なのです。
高校を卒業して、帰宅してきたときには、大きくなって、ほとんど成人しているのと変わらないでしょう。
お父さん、お母さんにとっても、とても貴重な数ヶ月なんです。
準備をすることもとっても大切なことですが、家族にとっても、また、一人一人の人生にとっても、親元を離れてしまうまでのこの時期に、たくさんの思い出を作っておいてほしいのです。
スポーツだけの人生は、ちょっともったいないと思うのです。
たくさんのいろいろな家族の思い出を作っておいてほしいのです。
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