あなたは自分の靴を買いに行った時、どうしますか?
もし、外見のデザインがすごく気に入ってたら、履いた時に違和感を感じてても買いますか?
大好きなスポーツシューズのメーカーだったら、履いてみて違和感があったり。しっくりこなかったり、少し痛みがあっても、そのシューズを購入し、無理やりそのシューズを履いてプレーしますか?
シューズというのは非常に繊細です。同じメーカーのシューズであっても、品番が違えば、微妙に形が違いますし、履いた時の感じも違います。
ましてや、革製などになれば、同じメーカーの同じサイズであっても違ってきます。どこか一部分が、足に当たって、靴擦れになったり、タコになったりすることだってあります。
それなのに、何故、チームのスパイクやシューズを、メーカーを、品番を、統一するのでしょうか?
所詮、子供なんだから、そこまで考えなくてもいいのでしょうか?
なじみのスポーツ用品店に勧められたから、そのシューズを全員同じように履かせれば問題ないのでしょうか?
最新モデルで、機能性に富んでいたらいいのでしょうか?
有名選手が履いていたら、あなたはその選手と同じ足の形をしているのでしょうか?
足の形は、個人個人違うのに、同じ一つの品番のシューズを履かないといけない意味が分かりません。
もし、所属の協会の規則で決まっているなら、それが絶対おかしいのです。
もちろん、色は統一すべきです。下地の色、ラインの色、決まりごとはそれだけでいいはず。
高校野球は、全部、黒ですよね。だったらそこだけ守って、自分が合うメーカーの品番の黒を履けばいいじゃないですか。たったそれだけの事です。誰に迷惑かけることもないでしょう。
私が近鉄バファローズ時代こんなことがありました。
あるスポーツメーカーと、野球用具一式・アパレル関係一式のアドバイザリー契約をしている選手がいました。もちろんスパイクもです。
しかし、その選手は、アドバイザリー契約をしているにも関わらず、どうしてもそのメーカーのスパイクが足に合いませんでした。
そして、その選手は、別のメーカーのスパイクを注文し、履いていたのです。
しかしながら、本来アドバイザリースタッフは、そのメーカーの道具を使うこと自体が契約内容であり、そのメーカーにとっては、宣伝広告なのです。アドバイザリー契約の選手が、他のメーカーのスパイクを履いて、試合に出場する事など許されることではありません。しかし、その選手はどうしてもそのメーカーのスパイクが、足に合いませんでした。
するとその選手は、自分で他社のメーカーのスパイクを注文、購入し、そして、革用の白のペンキを買ってきて、そのスパイクのメーカーのラインを消したのです。そして自分の契約しているメーカーのラインを赤のペンキで書いたのでした。(当時、近鉄バファローズのスパイクは、白地に赤ライン)
近くに行って、よく見ればわかるのですが、テレビ中継でのバッターボックス・守備機会などでは気づきません。ましてや観客席のお客さんには絶対わからないでしょう。
しかし考えてみると、それだけ自分に合ったスパイクというものは個人差があるということです。
例えば、プロ野球の場合では、アドバイザリーと言っても、アパレル関係も含めてすべての野球用具で契約している選手。
スパイク以外のすべてを契約し、スパイクのみ他社と契約している選手もいます。
それだけ、スポーツ選手にとってシューズやスパイクは重要なものなのです。
記録や成績を残す、パフォーマンスをアップするだけではなく、故障にも直結していくものだからです。
ですから簡単にカタログを見て、『今年のチームのスパイクは、このメーカーのこの品番の商品で揃えます。』などと言うのはおかしいのです。
あなたのチームの全ての選手の足をチェックしたことはありますか?
通常では考えられないような個所に、マメやタコが出来ている選手はいませんか?
下半身や腰に不安を抱えている選手はいませんか?
もちろんすべてではありません。
しかし、もしあなたが、自分に合っていないスパイクで長時間の練習をさせられたらどうですか?
もちろんこれは、スパイクだけではありません。練習に使用するシューズ類全てです。
『チームで統一されているから。デザインが気に入ったから。かっこいいから。最新モデルだから。○○選手が履いているから。』と言って、自分の足に合っていないシューズを履いて、故障している選手が必ずいます。もちろん本人も気付いていないでしょう。シューズが合っていないって
また、こんなことも有りました。
その選手は、自分が契約している、去年のモデルのシューズがとても足に合って、気に入っていました。
しかし、アドバイザリーであるにもかかわらず、メーカーが、今年のモデルの形を少し変更してしまったために、去年から気に入っていた品番のシューズを使うことが出来なくなってしまいました。
困った選手は、そのメーカーのバファローズ担当に相談して、去年のモデルが、どこかに在庫で残っていないかを探してもらったのでした。そして、2足だけ他球団の色で残っていたので、急遽取り寄せてもらって、自分で、色を塗り替えて使ったのです。
しかし、もう2足しかありません。その選手は、今後、自分の合う形を、メーカーを問わず探すしかないでしょう。合わないスパイクは履けないですから。
それぐらい繊細なのです。
大人だけの問題ではありません。成長期の子供だからこそ、問題なのです。
色だけ揃えればいいのです。
また、最新モデル、有名選手使用モデル、値段が高い、最新機能、だからと言って、その人に合わないものは合わないのです。
また、履いた感じがいくら良くても、履いて歩いてみると、いつもの歩く感じと違うシューズがあります。
いつもより前に重心がかかっているような感じを受ける。
後ろに重心がかかっているように感じる。
足がスムースに出ない、など。
サイズと履いた感じいはいいのですが、いざ実際に動き出すと、違和感があるシューズも、その選手には合っていないのです。
インソールや、かかとの部分の高さ。内側の構造。靴自体の形。ソール部分の形など、いろいろなものが、歩行に、走行に影響を与えているのです。
ですから、カタログを見るだけで、一度も履かず、また歩いたりもせずに、シューズを購入する事などありえないのです。
街を歩くときの普段履く靴なら、多少合っていなくても別にいいでしょう。
しかし今回は、このシューズやスパイクを履いて全力でスポーツをするのです。それも長時間。毎日のように。
シューズやスパイクを購入するときには、ぜひ実際に履いてみて、歩いてみて、できれば動いてみてください。
それで本当に、納得いくシューズやスパイクを選んでください。
それこそが、パフォーマンスの向上につながり、故障を防ぐ要因にもなるのです。
どうですか?
それでも、勧められた一つの品番のスパイクを今年もチーム全員で揃えますか?
コメント
ある県のある市の学童の大会では、
監督も含めて同じで無いと駄目だと
脱がされた経験があります。
ナンセンスだなと感じましたが
野球って未だに封建的な所が
多いですね❗️
コメントありがとうございます。
そんなことがあるんですね。
プレーに全く支障はきたさないのですが、何か意味があるんですかね。