人は自分の過去や体験を肯定し美化したがる

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コーチング

人は自分の過去や体験を肯定し美化したがる

皆さんも、こんな経験はないだろうか?
例えば職場で、同僚や後輩に。例えば親として子供に。
スポーツなどの現場で指導者として選手や子供たちに。

いろいろな話や、指導する際、または叱っている時、怒っている時。
自分の話がまとまらなくなってきたり、いろんなことを言わないといけないと思って、自分の学生時代の事や、昔の事の話題を持ってきて話しているうちに、誰もその現場を知らないことをいいことに、自分の過去の事や体験したことを、どんどん脚色して、また肯定し美化して話してはいないでしょうか?

これが仲間うちの話で、ちょっといい格好をしたいが為にそうなってしまうのなら、気持ちも理解できるし、大した問題ではないでしょう。
しかしながら、これが指導の現場や、叱り・怒りの場面においては、かなり厄介です。

例えば、みんなで意見を出し合うようなミーティングや指導の場面において、常日頃からこういう話し方をしている人が、組織の中心にいると、その人は、他の人の意見が受け入れられず、全然話し合いにならなくなるケースが多々あります。
まるで聞く耳を持っていないかのようです。

第三者から見ると、チームのためを思って発言している建設的な意見も、チーム批判かのように受け止められ、まったく取り入ってもらえません。
逆に、チームの指導方法に、疑問を持っている者のように捉えられ避けられるような場合もあります。
全くもって、幼稚な組織なのですが。

またこんなケースもよくあります。
私も25年間プロ野球にコーチとして在籍していると、若いころ教えていた選手が、やがて引退し、自分のチームでコーチとして戻ってくることがあります。

もちろんそのコーチの現役時代の事は、私は、性格も練習態度も私生活もよく知っています。
しっかりと練習に取り組んでやっていた選手もいれば、練習態度も、私生活も適当な選手もたくさんいました。

そんな現役時代、適当な選手に限って、コーチになったときに選手に厳しく接するのです。
練習態度や私生活などについて、うるさく注意します。そして、「自分の選手のころはもっとこうだった、ああだった。」と語ります。
かなり尾ひれがついて、美化して。

いかにも自分がまじめに練習し、模範的な選手だったかのように、努力していたかを伝えるのです。

「昔はもっとこうっだった。自分はこうだった。だから君たちももっとこうしなさい。」とか、
「もっと走らないといけないとか。」「もっと真剣にやれ。」「もっと努力しろ。」
「私生活が乱れている、遊び過ぎだ、もっと練習しろ。」など、言いたい放題。

彼の現役時代を知っている私が、見ているとも聞いているとも知らずに。
私は心の中で、「お前が言うか?」と、にが笑いしていたものです。

選手時代、適当なことばかりしていた人の方が、指導者になればなぜか選手に厳しくなります。
どうしてなのでしょうか?
自分自身との反省から来たものなのか、人に厳しく自分に甘いのか?
まぁ微妙なところで何とも言えませんが。

皆さんもそんな風になっていませんか?

自分の事を棚に上げて。

はっきり言います。
指導者の皆さん。

あなたの現役時代。学生だった頃、子供だった頃。
そんなに素晴らしい選手でしたか?
子供でしたか?
模範になるような生活をしていましたか?
そして今現在も、子供たちに誇れるような、見本になるような生活を送っていますか?

自分の事、美化していませんか?

私は、皆さんに誇れるような、学生でもありませんでしたし、現在も自慢できるような見本になるような、生活を送れていません。
だからこそ、自分が指導する場合、言葉を選んで、自分の過去を肯定ばかりせず、美化して話さないように気を付けるのです。

いかにも、自分は素晴らしく、自分は間違っていないんだというような、他を寄せ付けないような、話し方にならないでください。
そんな、あなたがチームの中心にいる以上、間違いなくその組織は、後退していくでしょう。
聞きたくないような意見でも、そのチームのためを思って、言いにくいことを言ってくれた仲間に、逆に感謝の気持ちで意見を聞いてください。その後、みんなで考えて子供のために最善な方法を探してください。耳の痛い意見は全否定。そんな組織にならないでください。

チームのためを思って、言わなければいけない意見は、言える組織であってください。それが子供の為なのです。

この人には、意見を言っても取り入ってもらえない。そんな風に思われる人間にならないでください。
それはすべて、日頃からの言葉の使い方に現れるのです。

自分ばかりを肯定せず、人の意見を素直に聞ける、大きな心で、指導できる人間になりたいものです。

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